ジムニーの収納スペースが足りないと感じ、収納ボックスを探し始めた方は多いでしょう。「どんな種類があるの?」「どこに置けばいい?」と迷うのは当然です。収納ボックスひとつとっても、コンソール周りに置く小物向けのもの、後部座席に固定するタイプ、ラゲッジに並べるコンテナ型と、設置場所によって製品の種類や選び方が変わります。
ジムニー(JB64)の車内空間は、スズキ公式サイトの情報によるとリアシートを倒した状態で352L(XC・XL)という荷室容量があります。一方、4名乗車時の荷室床面長は約240mmに限られ、後席を立てたまま大きな荷物を積むのはほとんど難しい構造です。だからこそ収納ボックスで空間を上手に使い分けることが、ジムニーを快適に使ううえで重要なポイントになります。
この記事では、ジムニーの純正収納の現状を整理したうえで、収納ボックスの種類・設置場所ごとの選び方・使うときの注意点を順に解説します。これからボックスを選ぼうとしている方の参考になれば幸いです。
ジムニーの収納ボックスが必要な理由と純正の現状
ジムニーに収納ボックスを追加するオーナーが多い背景には、純正収納の構成と容量に理由があります。まず純正でどこに何があるのかを確認しておくと、どのエリアに何を補強すればよいかが見えてきます。
純正収納の場所と実態
スズキ公式サイトのインテリア情報によると、ジムニー(JB64)の標準収納として、グローブボックス・センターコンソールトレー(AT車)・センターコンソールドリンクホルダー・フロントドアポケット(左右)・助手席シートバックポケット・ラゲッジボックス(XC・XL)が用意されています。
数だけ見ると多いように思えますが、それぞれのサイズは小さめです。グローブボックスは車検証ケースと説明書を入れると残りはウエスや小物程度が限界で、ドアポケットも薄く、マップやウエスを入れるのがせいぜいといったところです。ラゲッジボックスは蓋付きで汚れたものも収めやすい設計ですが、容積は限られています。また、XGグレードにはラゲッジボックスが標準装備されていないため、追加で何かしらの収納アイテムが必要になります。
純正ドリンクホルダーは変速レバーの後ろに2個ありますが、運転中に手が届きにくい位置にあり、使い勝手が悪いと感じるオーナーが多い部分でもあります。センターコンソールトレーはスマートフォンや財布を置くのに便利ですが、AT車専用です。MT車はボックス形状が異なるため、アイテム選びの際は自車の仕様を確認しておくとよいでしょう。
4名乗車時と後席折りたたみ時の大きな差
ジムニーの荷室容量は乗車人数によって大きく変わります。4名乗車時の荷室床面長はスズキ公式の数値で約240mmです。実際にはリアシートのフラップ部分を含めた長さであり、荷物を置けるスペースはさらに限られます。ゴルフバッグやベビーカーなど奥行きのある荷物は、後席を倒さない限りほぼ積めないと考えておくのが現実的です。
一方、リアシートを倒すと荷室容量は最大352L(XC・XL)まで広がり、幅1,300mmのフラットなスペースが生まれます。スクエアな車体形状のおかげで空間の無駄が少なく、収納ボックスやコンテナを並べて積み込みやすい構造です。リアシートの背面と荷室床面は防汚仕様の樹脂素材になっており、アウトドアや釣りなどで汚れたものを積んでも拭き取りやすいのもポイントです。
・4名乗車時:荷室床面長 約240mm
・リアシートを倒した状態:352L(XC・XL)/377L(XG)
・リアシートを倒すと幅1,300mmのフラットなスペースが確保できます
収納不足を感じやすい場面
ジムニーオーナーが収納の少なさを特に感じやすいのは、キャンプや釣りなどアウトドア用品を積む場面です。テントやシュラフ、調理道具などをまとめると後席を立てたままでは荷室に収まりきらないことが多く、後席を使うか荷物の量を減らすかの選択を迫られます。
日常使いでも、買い物袋や子どもの荷物など複数のアイテムが混在するとすぐに散らかりやすい点が気になる方は多いです。小物を置きたい場所がグローブボックスかラゲッジボックスしかないため、運転席まわりに細々したものが出しっぱなしになりやすいのも純正収納の課題です。こうした場面で収納ボックスを追加することで、アイテムごとに置き場所が決まり、車内の整理がしやすくなります。
- 純正収納はグローブボックス・コンソールトレー・ドアポケットなどがあるが、各サイズは小さめ
- 4名乗車時の荷室床面長は約240mmと非常に限られる
- リアシートを倒すと352L(XC・XL)のフラットな空間になる
- アウトドア用品・日常の荷物の整理に収納ボックスの追加が有効
収納ボックスの種類と設置場所の特徴
ジムニー向けの収納ボックスは設置場所によって形状や取り付け方法が異なります。場所ごとの特徴を把握しておくと、自分の使い方に合ったアイテムを選びやすくなります。
コンソール・ダッシュボード周りに置くタイプ
運転席まわりに設置する収納アイテムは、ドライブ中の小物管理に役立ちます。代表的なのはコンソールトレー(センタートレー)で、変速レバー周辺の空きスペースに収まるコンパクトな設計のものが多く、スマートフォン・スマートキー・小銭・カードなどを収める用途に向いています。
セイワ(SEIWA)やカーメイト・星光産業などから、JB64/JB74専用設計のコンソールトレーが販売されており、専用品は車体の形状に合わせて設計されているため、ガタつきが少なくフィット感があります。AT車用とMT車用で形状が異なる場合があるため、購入前に自車のトランスミッション形式を確認しておきましょう。
ダッシュボードトレーもこのエリアの収納として人気があります。ダッシュボード上に設置するタイプで、スマートフォンの充電スペースと小物置きを兼ねる多機能な製品も展開されています。取り付けは両面テープや専用の差し込み方式が主流で、工具不要で設置できるものが多いです。
後部座席・タイヤハウス上に置くタイプ
後部座席のタイヤハウス上のスペースは、意外と使われていないデッドスペースです。ここに専用の収納ボックスを設置することで、後席に座った状態でも手の届く収納エリアが生まれます。
セイワのラゲッジボックス(IMP182)は、JB64/JB74専用設計で後部座席のタイヤハウス上にボルト4本で固定するタイプです。収納ボックスとして機能しながら肘掛けとしても使える設計で、後席の快適性も向上します。使用しないときは折りたたんでコンパクトに収めることもでき、必要に応じて脱着できる点が特徴です。
同じエリアに、ボンフォームのリヤサイドBOX(フェイクレザー素材)もあります。ユーティリティーナットを使って固定するタイプで、仕切り板が面ファスナー式になっており収納スペースの調整ができます。シートを立てた状態でも折りたたんだ状態でも後席が使えるよう設計されているのが特徴です。後席を頻繁に使う場合は、シートと干渉しないかどうかを製品情報で確認してから選ぶとよいでしょう。
ラゲッジに置くコンテナ・トランクボックス型
荷室に置いて使うコンテナボックス・トランクカーゴは、キャンプや釣りなどアウトドアの荷物をまとめるのに向いています。代表的なものとして、ゴードンミラー(GORDON MILLER)のスタッキングトランクカーゴとアイリスオーヤマ製のコンテナボックス、無印良品のポリプロピレン頑丈収納ボックスなどが多くのジムニーオーナーに使われています。
ゴードンミラーのスタッキングトランクカーゴはコヨーテ・オリーブ・グレーの3色展開で、ジムニーの内装カラーとも合わせやすいのが特徴です。複数個を重ねて使えるスタッキング設計で、使わないときもまとめて保管できます。無印良品のポリプロピレン頑丈収納ボックスは比較的手頃な価格で、サイズ展開が豊富なため、荷室の幅や奥行きに合わせて選びやすい点が評価されています。
ラゲッジに置くボックスは取り付けが不要なぶん設置の手間がかかりませんが、走行中に動いてしまいやすいデメリットがあります。ラゲッジマットを敷いてボックスの底面を安定させるか、ラゲッジフックや固定ベルトを組み合わせると滑りを防ぎやすくなります。
専用品と汎用品の違いを把握しておく

ジムニー向けの収納ボックスには、車種専用設計の「専用品」と、複数の車種に使える「汎用品」があります。専用品はJB64・JB74の形状に合わせて設計されているため、取り付けのフィット感が高く、ガタつきや干渉のトラブルが起きにくいのが特点です。メーカー公式サイトや製品ページで適合車種を確認して購入する方が安心です。
汎用品はサイズや素材の選択肢が広く、価格帯も幅広いです。ラゲッジに置くコンテナタイプの場合は汎用品でも問題なく使えることが多いですが、コンソール周りやタイヤハウス上に設置するタイプは専用設計の製品の方がフィット感・安定性の面で有利です。購入前に設置場所のサイズ(幅・高さ・奥行き)を実測しておくと、ミスマッチを防げます。
| タイプ | 設置場所 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| コンソールトレー | 運転席センター周辺 | 専用設計多、工具不要 | 小物・スマホ・スマートキー |
| 後部座席ボックス | タイヤハウス上 | 肘掛け兼用・脱着式も | 日常小物・車中泊装備 |
| コンテナ型ボックス | ラゲッジ床面 | 取り付け不要・汎用品多 | アウトドア用品・工具類 |
| リアゲートボックス | ラゲッジ側面 | グロメット固定・ポケット式 | すぐ取り出したいアイテム |
- コンソール周りは専用設計品が多く、工具不要で取り付けできるものが主流
- 後部座席タイヤハウス上は肘掛け兼用の専用ボックスが利便性が高い
- ラゲッジには汎用コンテナでも活用しやすく、サイズ選択の自由度が高い
- 専用品は適合車種・グレード・AT/MT形式の確認が必要
場所別の収納ボックス選び方のポイント
収納ボックスを実際に選ぶ際は、「どこに何を置きたいか」を先に決めてから製品を絞り込むと失敗が少なくなります。設置場所ごとに確認しておきたいポイントを整理します。
コンソール・ダッシュボード周りの選び方
運転席エリアの収納を選ぶときに特に確認したいのは、AT車かMT車かという点です。センターコンソールの形状がAT車とMT車で異なるため、専用品は多くが「AT車用」「MT車用」に分かれています。製品ページの適合表で自分の車のトランスミッション形式(AT/MT)を必ず確認してから購入しましょう。
ダッシュボードトレーは、スマートフォンの充電機能付きの製品を選ぶ場合、電源の接続方法(USB・シガーソケット等)も確認しておく必要があります。ダッシュボード上に設置するタイプは視野に入る位置になるため、運転中に視界を遮らない設計のものを選ぶことが安全面で大切です。取り付け方法が両面テープ固定の製品の場合、夏の高温でテープがはがれるケースもあるため、固定強度の口コミも参考にするとよいでしょう。
コンソールトレーに一体化されたドリンクホルダーを選ぶ場合、純正のドリンクホルダーと干渉することがあります。純正ホルダーが使えなくなる場合は代替のドリンクホルダーを別途用意するか、ドリンクホルダー付きのトレーを選ぶかを判断しておくと使いやすくなります。
後部座席エリアの選び方
後部座席まわりの収納ボックスを選ぶ際は、「後席に人が乗るかどうか」が重要な判断基準になります。後席を常時使う場合は、シートを折りたたんだ状態でも立てた状態でも干渉しない製品を選ぶ必要があります。ユーティリティーナットを使って固定するタイプは比較的安定しており、取り付け時に工具が必要なものの、しっかりと固定されるため走行中の動きが少ないのが特点です。
後部座席の収納ボックスは、肘掛け・テーブル機能を兼ねた製品も多いです。車中泊での使用を考えている場合は、シートを倒したときに邪魔にならないか・テーブル面の強度は十分かも確認しておくとよいでしょう。製品サイズ(幅・高さ・奥行き)を実測スペースと照合してから購入するのが確実です。
・後席に人が乗るか(常時使用・必要時のみどちらか)
・シートを立てた状態・倒した状態それぞれで干渉しないか
・ユーティリティーナット固定かクランプ式か両面テープ式か
・製品サイズと実際の設置場所の寸法が合っているか
ラゲッジスペースの選び方
ラゲッジに置くコンテナボックスを選ぶ際は、後席を倒す使い方と立てる使い方のどちらを主にするかで適切なサイズが変わります。後席を折りたたんで使う場合は幅広・大容量のボックスでも収まりますが、後席を立てた状態で荷室後部だけを使う場合は奥行きを抑えたコンパクトなボックスが向いています。
コンテナボックスは素材・蓋の有無・スタッキング可否によって用途が変わります。アウトドアで使う場合は防水性や耐衝撃性のある素材を選ぶと長持ちします。キャンプ道具のように汚れたものや濡れたものを入れることが多い場合は、丸洗いできる素材のものが便利です。複数個をスタッキングして使えるタイプは、荷室のスペースを効率よく使いやすい点でも人気があります。
ラゲッジに収納ボックスを並べる際は、ラゲッジマットを敷いてから置くと床面の傷防止と滑り止めになります。ジムニーの荷室はほぼフラットな構造のため、ラゲッジマット+固定ベルトの組み合わせで動きを抑えることができます。ボックスそのものに固定用のベルト穴やフックがある製品を選ぶと、より確実に固定できます。
Q:ラゲッジに置くコンテナボックスは何Lサイズが合う?
A:後席を倒した状態で横幅約1,300mmのスペースがあります。20〜50L程度のボックスを2〜3個並べる使い方が多いです。後席を立てた状態で使う場合は奥行き20cm前後に収まるサイズを選ぶとよいでしょう。
Q:コンテナボックスは専用品でなくても使える?
A:ラゲッジに置くだけのコンテナ型であれば汎用品でも問題なく使えます。ただし固定方式(ベルト穴の位置など)はジムニーのラゲッジフックの位置と合っているか確認すると安心です。
- 後席を倒すか立てるかで選ぶべきサイズが変わる
- アウトドア向けは防水・耐衝撃・丸洗い可能な素材を確認
- スタッキングできるタイプはスペースを効率よく使いやすい
- ラゲッジマット・固定ベルトと組み合わせると安定性が上がる
収納ボックスを使うときの注意点と安全の考え方
収納ボックスを追加すること自体はシンプルな作業ですが、車内への設置と荷物の積み方には安全面で気をつけておきたいポイントがあります。特に走行中の荷物の動きは事故につながるリスクがあるため、固定の考え方を整理しておきましょう。
走行中に荷物が動かないようにする固定の基本
車内に置いた収納ボックスや荷物は、急ブレーキや急カーブの際に動いてシート・ドア・乗員に当たるリスクがあります。JAFのウェブサイトでは、車内の荷物が固定されていない場合のリスクについて注意喚起を行っており、荷物は適切に固定することが基本とされています。
ラゲッジに置くコンテナボックスは、ラゲッジフックに固定ベルトをかけてボックスをつなぎ止めるのが基本の固定方法です。ジムニーのラゲッジには荷室フックナットが装備されており、市販の固定ベルトやカラビナフックと組み合わせて使えます。コンテナボックス側にも固定用のベルト穴が付いている製品を選ぶと、固定の組み合わせが作りやすくなります。ラゲッジマットを敷いて滑り止めを確保することも、動き防止の基本的な対策のひとつです。
後部座席エリアのボックスについては、ユーティリティーナットやボルト固定式のものはしっかりと締め付けを確認してから使いましょう。両面テープ固定のアイテムは定期的に剥がれていないか確認する習慣をつけておくと安心です。
専用取り付け方式と置き型の違い
収納ボックスの設置方法は大きく「固定式」と「置き型」に分けられます。固定式はボルト・ユーティリティーナット・両面テープなどで車体に直接固定するタイプで、走行中の安定性が高いのが利点です。後部座席タイヤハウス上のボックスや、コンソールトレー類はこのタイプが主流です。
置き型はコンテナボックスのようにラゲッジの床面に置くだけのタイプです。脱着が自由で荷室レイアウトの変更がしやすいメリットがありますが、走行中に動きやすいのが課題です。ラゲッジマットや固定ベルトを組み合わせて使うことが前提です。カーメイトのリアコンソール(CX502K)のように、後部座席の座面とフロアカーペットの間に挟み込むだけで固定できる製品もあり、工具不要で安定して設置できます。
固定式アイテムを取り付ける際、ユーティリティーナットへの締め付けトルクが弱すぎると走行中に緩む場合があります。取り付けに不安がある場合や、初めてDIYで作業する方はディーラーや整備店に相談してから進めることをおすすめします。
積載時に視界・操作の邪魔にならないか確認する
収納ボックスや荷物の配置は、ドライバーの視界と運転操作への影響を確認してから決めることが大切です。ダッシュボードトレーの位置が高すぎると前方視界を遮る場合があり、センタートレーが変速レバーの操作スペースに干渉すると走行中の操作に影響します。
コンソール周りのアイテムを設置したあとは、シートに着座した状態で手の届く範囲・変速レバーやサイドブレーキの操作に支障がないか・バックミラーでの後方視界が確保されているかを実際に確認しておきましょう。後席やラゲッジに積んだ荷物が高く積み上がると、バックミラーからの後方視界が遮られる場合があります。走行前に積み方を見直す習慣が安全面で重要です。
・変速レバー・サイドブレーキの操作に支障がないか
・バックミラーでの後方視界が確保されているか
・走行中にボックスやフタがガタつかないか
・固定ベルト・ボルト・テープの固定強度は十分か
- ラゲッジのコンテナは固定ベルトとラゲッジマットを組み合わせて動きを防ぐ
- ユーティリティーナット固定品は締め付けトルクに不安があればディーラー相談が安心
- ダッシュボードトレーは視界を遮らない位置・高さか設置後に確認する
- 積載後は後方視界・各操作レバーへの干渉がないかを必ずチェックする
まとめ
ジムニーの収納ボックスは「どこに置くか」によって選ぶべき製品の種類・取り付け方法・サイズが変わります。コンソール周りは専用品で小物をまとめ、後部座席タイヤハウス上は固定式ボックスで肘掛けを兼ねさせ、ラゲッジにはコンテナ型を置いてアウトドア用品を仕分けるという組み合わせが、多くのジムニーオーナーが実践している基本的な構成です。
まず一歩目として、「運転席まわりの小物が出しっぱなしになっている」「ラゲッジが毎回バラバラになる」など、今一番困っているポイントをひとつ決めて、そこに合う製品を探してみてください。購入前には設置場所の寸法を実測し、AT/MTの仕様と専用品かどうかも確認しておくと選びやすくなります。
コンパクトな車体だからこそ、収納の工夫がジムニーの使い心地を大きく左右します。この記事が収納ボックス選びの参考になれば嬉しいです。


