ジムニー(JB64/JB74)には、USBポートが標準で装備されていません。スマホのナビアプリを使いながら充電したい、助手席の人にも充電させてあげたい、そんな場面でUSBソケットの不足を感じるオーナーは少なくないでしょう。
増設の方法は大きく3つあり、工具なしで数分で終わるものから、内装パネルを外して配線を通すものまで幅があります。どれが自分に合っているかは、ほしいポート数・予算・DIYの経験によって変わります。
この記事では、ジムニーのUSBソケット増設を検討している初心者〜中級者の方に向けて、3つの方法の違いと製品選びのポイントを整理します。あわせて、安全に使うための注意点もまとめました。
ジムニーのUSBソケットが足りなくなる理由
JB64/JB74ジムニーの電源まわりの構成を知っておくと、どの方法が自分に合うかを選びやすくなります。標準装備でできることと、増設で補える部分を整理しておきましょう。
標準装備のシガーソケットは前後に1口ずつ
JB64ジムニーには、センタースイッチ下のコンソールトレイ付近にシガーソケット(アクセサリーソケット)が1口、リアハッチを開けた運転席側にもう1口の計2口が装備されています。ジムニーシエラ(JB74)も同様の配置です。
USBポートについては、グレードによってオプション扱いとなる場合があり、納車時にUSBポートが付いていないと気づくオーナーも一定数います。シガーソケットにシガープラグ型のUSBアダプターを差せば充電できますが、ソケットを1口占有するため、ドライブレコーダーやレーダー探知機と同時に使うと差し込み口がすぐ足りなくなります。
スマホ・ナビ・ドラレコを同時使用すると口数が不足しやすい
ジムニーで使われることが多い電装品を並べてみると、口数不足が起こりやすい理由がわかります。ドライブレコーダー(シガープラグ型)、スマホ充電、ETCや空気清浄機などを組み合わせると、1口では到底足りません。
また、ナビとスマホを有線で接続してCarPlay・Android Autoを使う場合、USBポートを1口使うことになります。助手席の人が同時に充電したいとなれば、さらに1口必要です。ジムニーのシンプルな車内構成は美点でもありますが、電源まわりだけは少し工夫が必要と感じる場面が出てきます。
インパネのメクラ蓋が活用できる設計になっている
JB64/JB74のインパネには「メクラ蓋」と呼ばれる、スイッチ類の取り付けを想定した空きスペースがあります。スタートスイッチ上やドア窓開閉スイッチ下など複数箇所にあり、ここにUSBポートをはめ込むカスタムが定番になっています。
専用設計の製品であれば純正スイッチパネルと同じサイズで収まるため、見た目がスッキリします。このメクラ蓋を使う方法は「見た目を崩したくないが、ちゃんとしたポートを付けたい」という方に向いています。
・フロントのシガーソケット:1口
・リアのシガーソケット(リアハッチ側):1口
・USBポート:グレード・オプションによって有無が異なる
・インパネのメクラ蓋:複数箇所に空きスペースあり(増設活用可能)
- フロントとリアにシガーソケットが1口ずつあるが、電装品が増えると口数が不足しやすい
- USBポートはグレードやオプション設定によって装備状況が異なる
- メクラ蓋を活用したUSBポート増設が、ジムニーオーナーの定番カスタムになっている
- スマホ・ドラレコ・ナビを同時使用する場合は2口以上の増設が現実的
増設の3つの方法を比較する
USBソケットの増設方法は大きく3種類に分けられます。それぞれ取り付けの手間と仕上がりが異なるため、自分のスキルレベルや使用目的に合わせて選ぶのがポイントです。
シガーソケット差し込み型:工具なしで完了する最もシンプルな方法
純正のシガーソケットに本体を差し込み、両面テープで固定するだけの方法です。カーメイトのNZ587(JB64/JB74専用)がこのタイプの代表例で、シガーソケット2口とUSBポート2口を一度に増設できます。作業時間は1〜2分程度で、工具は一切不要です。
ジムニー専用設計の製品であれば、センタースイッチ下にぴったりと収まるため、見た目の一体感も得られます。ただし、本体がシガーソケット周辺に飛び出す分だけスペースを取るため、コンソールトレイの一部が使えなくなるケースがあります。
メクラ蓋交換型:純正風の仕上がりを目指す方法
インパネのメクラ蓋を外して、代わりにUSBポートをはめ込む方法です。セイワのIMP157(JB64/JB74専用)などがこのカテゴリで、内張りはがしがあれば比較的作業しやすく、作業時間は10〜20分程度が目安です。
取り付け後の見た目が純正スイッチと同様にフラットに収まるため、車内がすっきりして見えます。ただし、電源供給はシガーソケット側から取ることになるため、シガーソケットの使用状況も考慮が必要です。配線を背面に通す作業が伴うので、パネルを外す作業に慣れていない方は少し手間を感じるかもしれません。
配線接続型:自由度は高いが作業難易度も上がる
スズキ純正USBポート(品番:39105-80P00)をメクラ蓋に取り付け、ACC電源(アクセサリー電源)から直接配線を引いてくる方法です。ナビのUSBケーブルをこのポートに接続することもでき、Apple CarPlayやAndroid Autoを手元で使える状態にすることができます。
作業にはパネルの取り外しや配線の通し直し、場合によってはハンダ付けが必要になることもあります。作業時間は30分〜1時間程度が目安で、配線作業に不安がある方はカーディーラーやカー用品店への依頼を検討するとよいでしょう。プロへの依頼費用は別途かかりますが、確実な仕上がりが期待できます。
| 方法 | 価格帯(税込目安) | 作業難易度 | 必要な工具 | USB口数 |
|---|---|---|---|---|
| シガーソケット差し込み型 | 4,000〜5,500円 | 初級 | 不要 | 2〜3口 |
| メクラ蓋交換型 | 2,500〜3,500円 | 初〜中級 | 内張りはがし | 1〜2口 |
| 配線接続型 | 3,000〜5,000円+工賃 | 中級 | 内張りはがし・配線工具 | 1〜2口 |
- 最初の一台なら「シガーソケット差し込み型」が取り付けのハードルが最も低い
- 見た目にこだわるなら「メクラ蓋交換型」で純正風の仕上がりが狙える
- ナビとの接続も含めて整理したい場合は「配線接続型」で一本化できる
- 配線作業に不安がある場合はディーラーやカー用品店への相談も選択肢
製品を選ぶときに確認したい4つのポイント

どの方法を選ぶかが決まったら、次は具体的な製品選びです。価格や口数だけで選ぶと、後から「充電が遅い」「接続先と合わない」という状況が起きることがあります。事前に確認しておきたいポイントを整理します。
Type-AとType-Cの違いと急速充電の対応を確認する
USBポートにはType-A(従来の長方形の端子)とType-C(小判型の端子)があります。近年のスマホはType-C接続が主流になっており、特にAndroid端末はType-Cのみ対応の機種も増えています。iPhoneもiPhone 15以降はType-Cに移行しています。
急速充電に対応しているかどうかも重要な確認点です。QC(Quick Charge)3.0対応のポートであれば充電速度が大きく向上します。Type-C PD(Power Delivery)対応の製品はさらに高出力での充電ができます。一方、出力の小さい製品はスマホを使いながら充電すると充電が追いつかない場合があります。製品の最大出力(A数またはW数)を購入前に確認しておくとよいでしょう。
JB64/JB74専用設計かどうかをチェックする
汎用品でも電気的には機能しますが、ジムニー専用設計の製品はセンタースイッチ周辺やメクラ蓋のサイズに合わせて作られているため、取り付け後の見た目がきれいに収まります。専用品であれば取り付け説明書もジムニーの構造に沿った内容になっていることが多く、初めてDIYする方には安心感があります。
「JB64W/JB74W対応」「ジムニーシエラ対応」などの記載を確認してから購入しましょう。ジムニーノマド(JC74W)に対応しているかどうかは製品によって異なるため、ノマドオーナーは別途確認が必要です。
シガーソケット1口からの分岐で電流不足にならないかを確認する
シガーソケット差し込み型の製品は、1つのシガーソケットから複数のポートに電力を分配します。接続する機器の消費電流の合計が、シガーソケットの許容電流を超えないかどうかを確認することが大切です。
一般的な車載シガーソケットの許容電流は10〜15A程度とされていますが、正確な数値はジムニーの取扱説明書または最寄りのディーラーでご確認ください。スマホ充電程度であれば問題が起きることはほとんどありませんが、高出力のインバーターや複数の電装品を同時接続する場合は注意が必要です。過電流はヒューズが切れる原因になります。
純正ナビとの接続を考えている場合はケーブルの仕様も確認する
ジムニーに純正ナビや社外ナビを搭載している場合、USBポートをナビのUSB入力端子と接続することでCarPlay・Android Autoが使える状態にできます。ただし、純正のUSBポート(品番:39105-80P00)は純正ナビとの専用ケーブルで接続する設計になっており、社外ナビと接続するには別途変換ケーブルが必要になる場合があります。
社外品のusbyオリジナルUSBソケットセットのように、純正ソケットと社外ナビを接続できる変換ケーブルをセットにした製品も流通しています。ナビとの接続も視野に入れる場合は、購入前にナビの型番と対応ケーブルの有無を確認しておくと、取り付け後に「ケーブルが合わない」というトラブルを防げます。
1. Type-AとType-Cのどちらが必要か(接続するスマホの端子を確認)
2. 急速充電(QC3.0/PD対応)が必要かどうか
3. JB64/JB74専用設計かどうか
4. ナビとの接続を考えている場合は対応ケーブルの有無を確認
- Type-C対応の製品は近年のスマホとの相性がよく、今後も汎用性が高い
- JB64/JB74専用設計の製品は見た目の仕上がりと取り付けやすさで有利
- ナビとのUSB接続を想定している場合は、変換ケーブルが必要になることがある
- シガーソケットの許容電流は取扱説明書またはディーラーで確認するとよい
安全に使うために知っておきたい注意点
USBソケットの増設は比較的手軽なカスタムですが、電装品である以上、安全面の基本を押さえておくことが大切です。NITEやメーカーの情報をもとに、日常使いで気をつけたいことを整理します。
粗悪な低品質ケーブルの使用は発熱・発火のリスクがある
NITEの製品事故情報によれば、USB充電用コネクターに関する事故は、コネクター内部のショートや異物侵入による発熱・発火が主な原因とされています。事故の多くは製品に起因するものよりも、誤った使い方や粗悪品の使用が背景にあります。
充電ケーブルを選ぶ際は、PSEマーク(電気用品安全法に基づく適合マーク)の有無を確認することが一つの基準になります。価格だけで選ぶと品質管理の不十分な製品を選んでしまう場合があるため、信頼できるメーカーの製品を選ぶとよいでしょう。ケーブルの端子を無理な角度で差し込んだり、液体が付着した状態で充電を続けたりすることも事故の原因になります。
車内の高温環境に注意する
夏場の直射日光が当たる車内は、ダッシュボード付近で80度近くに達することがあると指摘されています。リチウムイオン電池を内蔵したスマホやモバイルバッテリーを高温の車内に放置すると、電池の劣化や最悪の場合の発火につながるリスクがあります。
USBソケット経由でスマホを充電しながら車内に置いておく場合も、直射日光が当たらない位置に置くことが大切です。駐車時はスマホや充電中の機器を車内に放置しないよう心がけるとよいでしょう。
エレクトロタップは使い方によってはリスクがある
配線接続型でUSBポートを取り付ける際、配線の分岐にエレクトロタップ(配線に挟み込むだけで電気を取り出せる部品)を使うことがあります。エレクトロタップは手軽な反面、取り付け方が不完全だと接触不良や発熱の原因になることが知られています。
DIYでの配線作業に慣れていない方は、エレクトロタップよりも確実なはんだ付けと絶縁処理を選ぶか、プロへの施工依頼を検討するとよいでしょう。また、分岐配線のプラス側には必ずヒューズを挿入することが、万一のショート時のトラブル防止につながります。
ミニQ&A
Q:増設したUSBソケットがエンジンオフでも使える状態になっています。これは問題ありませんか?
A:シガーソケットをACC電源に接続している場合、エンジンオフ(ACC切断後)は通常使えなくなります。常時電源に接続してしまうと、バッテリー上がりの原因になるため注意が必要です。取り付け後に動作確認を行い、不安な場合は販売店に相談しましょう。
Q:シガーソケット差し込み型の製品を購入しましたが、ソケット部分がグラつきます。原因は何ですか?
A:シガーソケットの形状や製品ごとの寸法のわずかなズレにより、差し込みが緩くなることがあります。接触不良の原因になるため、専用設計品を選ぶか、適合確認ができている製品に変更することを検討しましょう。
- PSEマーク付きの信頼できるメーカーの製品・ケーブルを選ぶことが安全の基本
- 夏場の高温車内でのスマホ放置充電は、発熱・劣化のリスクがある
- 配線分岐のプラス側にはヒューズを挿入するのが基本
- エレクトロタップは手軽だが、確実な接続ができていない場合は接触不良の原因になる
まとめ
ジムニーのUSBソケット増設は、方法を選べば工具なし・数分で完了する手軽なカスタムです。スマホやドラレコの電源状況を整えるだけで、ドライブのストレスがかなり減ります。
まず自分がどれだけポートを増やしたいか、見た目の仕上がりにこだわるかを整理して、シガーソケット差し込み型・メクラ蓋交換型・配線接続型の3つから選んでみてください。初めての方にはジムニー専用設計のシガーソケット差し込み型が、取り付けのハードルが低くおすすめです。
取り付け方法や配線まわりで不安を感じた場合は、カーディーラーやカー用品店のスタッフに相談することも一つの選択肢です。安全に取り付けて、快適なジムニーライフを楽しんでください。


